媒介契約とは
不動産を売却する際、個人で買主を見つけて契約を成立させるのはかなりハードルが高いと言えます。
そこで、売主は買主を探してもらうため、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。
このときに不動産会社と取り交わす契約が「媒介契約」となります。
そんな媒介契約には大きく分けて3つの種類があります。
①専属専任媒介契約
②専任媒介契約
③一般媒介契約
媒介契約は、その種類によって売り手の自由度や不動産会社の対応が変化しますので、売却を依頼する際にはしっかりと内容を押さえておきましょう。
■専属専任媒介契約
1つの不動産会社にだけ仲介を依頼する契約です。この契約を結ぶと、他の不動産会社に同時に仲介を頼むことはできません。
契約の有効期限は最大で3カ月で、不動産会社は契約成立から5日以内にREINS(レインズ)への登録が必要です。
また、1週間に1度以上の頻度で依頼者に仲介業務の進捗状況を報告することも求められます。
メリットとして、不動産会社が限られた期間内に買い手を探さなくては売買契約を仲介できないため、比較的高い確率で買い手が見つかることが挙げられます。
さらに、買い手からの問い合わせ窓口が1箇所に集約されますので、売主が複数の不動産会社とやりとりする必要がないところも、メリットと感じる方もいらっしゃいます。
■専任媒介契約
こちらも1つの不動産会社にだけ仲介を依頼する契約ですが、
専属専任媒介契約と異なるのは、自分で買い手を見つけて不動産会社を介さずに契約できることです。
契約期間は同じく最大で3カ月で、不動産会社は契約成立から7日以内にREINSへの登録が必要です。
同様に、2週間に1度以上の頻度で依頼者に仲介業務の進捗状況を報告することも求められます。
この契約は、自分で買い手を見つけつつ、さらによい条件の買い手を探したい際に利用しやすいことがメリットと言えます。
自分で買い手を見つけることができれば、不動産会社に支払う仲介手数料も必要ありません。
しかしその一方で、取引で起こる問題などは全て自己責任になってしまいます…
トラブルを防ぐためにも、信頼できる不動産会社を通して取引をした方が安心かもしれません。
■一般媒介契約
複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約で、自力で買い手を見つけたり、不動産会社を介さずに契約することも可能です。
契約には有効期限はなく(行政指導はあり)、REINSへの登録義務もありません。
また、不動産会社は依頼者に業務の進捗状況を報告する必要もありません。
この契約は幅広く買い手を探すことができるように感じるかもしれませんが、不動産会社にとっては(専属)専任媒介契約と比較して安定性の低い依頼となるので、買い手探しに時間がかかってしまう可能性があります。
■契約の更新
契約の更新については
専属専任媒介契約・専任媒介契約については売主からの申し出で契約の更新が可能です。
一般媒介契約についてのみ、自動更新が可能とされています。
■まとめ
【専属専任媒介契約】
・REINSへの登録は契約成立から5日以内
・進捗状況の報告は1週間に1度以上
・契約の有効期限は最大で3カ月
【専任媒介契約】
・REINSへの登録は契約成立から7日以内
・進捗状況の報告は2週間に1度以上
・契約の有効期限は最大で3カ月
【一般媒介契約】
・REINSへの登録義務なし
・進捗状況の報告義務なし
・契約の有効期限はなし(行政指導はあり)
媒介契約の種類を選ぶ際に考慮すべきポイントは、売却先の見込み、売却価格、売却の時期などによって異なります。
まずは契約の内容をご自身でしっかりと把握していただいた上で、どの契約内容が一番適しているのか営業担当と相談していただくとよいでしょう。